読書日記その392 「神々の山嶺 上」
読書日記その392 「神々の山嶺 上」
映画を観た時に、これは小説の方が面白いのではと思い読みました(^^)
孤高の天才羽生丈二。彼のような尋常でない凄まじい生き方を表現するにはやはり小説だろう。
劣等感から生まれるストイシズム。
誰も登山の対象に考えた事のない危険すぎる難所、通称「鬼スラ」を極めようとする羽生。
「誰もやらないようなことをやらなければだめなんだ」
「いくつかの条件さえ合えば絶対に鬼スラは不可能じゃない」
そんな羽生に魅せられるカメラマン深道。
「どうせ生きてゆく。
死ぬまでのその生きてゆく時間は何かで埋めなければならない。
どうせその時間を埋めるのなら、
″たどり着けないかもしれない納得″
″何だかはわからないがあるかもしれない答え″
″踏めないかもしれない頂に向かって足を踏み出してゆくこと″
そのようなもので埋めるのが自分のやり方だろう。」
映画では描ききれてない羽生と深町の人物の深み、そして岸涼子、瀬川加代子との関係。そして長谷常雄。
これは面白い!さあ下巻へ♪