読書日記その288 「売る力」

「売る力」 鈴木敏文 著
セブン&アイホールディングス会長 鈴木敏文氏の著書。
コンビニ業界は飽和状態と言われながらさらに伸び続けるセブンイレブンの秘密が30項目に渡って記されてます。
その中でも第1のキーワードとして「上質さ」と「手軽さ」。
この相反するトレードオフを両立させてできたのがセブンゴールドシリーズ「金の○○」。
コンビニの存在自体が「手軽さ」という価値を提供してる上に、さらに品質や味にこだわったセブンゴールドシリーズで「上質さ」という価値を提供してます。
このトレードオフのゾーンを狙うことにより他のコンビニとの差別化が生まれ、さらにお客様も「コンビニなのにこの美味しさ」という驚きと感動が生まれます。
第2のキーワードとして「お客様の立場で」
「お客様のために」では視点が売り手側にあり売り手のお客様に対する思い込みや決めつけがあります。
そして無意識のうちに「お客様のために」と言いつつ「売り手の立場で」考えてしまいます。
しかし「お客様の立場で」考えるということは視点がお客様側にあります。
それは時には売り手の過去の経験を否定して自分達に不都合なことでも実行しなければならないということです。
そこにお客様の真の満足感が生まれます。
セブンはセブンカフェのヒットで他社を大きく引き離した印象はありますが、これはたまたま生まれた産物ではないと感じます。
本書には書かれてませんが、セブンは冬の代名詞でもあるおでんをお盆明けから販売して、夏のおでんの需要を掘り起こすことに挑戦します。
結果としては夏のおでんはヒットとまではいかないにしても、このように常識を疑い自社で新たな需要を生み出そうとする企業姿勢が、セブンカフェやセブンゴールドのヒット、恵方巻きの普及にも繋がるのではと感じます。
「何故かセブンに行ってしまう」
「何故かセブンの食べ物は美味しそう」
「何故かセブンではたくさん買ってしまう」
こんな感覚を覚える人は少なくないはずです。
これはセブンの小さな事にもこだわる企業姿勢とたゆまぬ努力の積み重ねの結果であり、セブンイレブンというブランド力でもあります。
10年位前は、所詮コンビニだし…という感覚ってあったはずなのですが、もう今のセブンには微塵も感じません。
ポワルももっと「お客様の立場で」考えて努力を重ねていかないといけないと思いました。
いやはやホント真面目に…
頑張ろっと…
……
ちなみに…
今試験的に販売されてるセブンドーナツですがネットで販売スタイルの画像を見た時…
これ…冷蔵ショーケースになってそしてドーナツではなくシュークリームやエクレアなどのおやつ菓子がケーキ屋さんと同じスタイルで販売されたら…
そしたらスッゴい脅威になると感じました…
「金のシュークリーム」「金のエクレア」とか言って…(-_-;)