
「経営戦略全史」 三谷宏治 著
この本に登場する人物132人。
書籍72冊。
会社は110社。
この100年の間に発表された90余りの戦略コンセプトをまとめた本です。
これだけの戦略があると相反するものも多いです。
てことはつまり戦略というものに正解というものはない。
個々の会社の風土に合って、士気も上がって、成果が上がればそれがその会社にとっての正しい戦略だということです。
じゃあ戦略を学ぶのは無意味かというとそうではありません。
根拠のないカンで闇雲に戦略を立てるより、ある程度の根拠やストーリーのある戦略を立てたほうが成果が上がる確率は高くなるでしょう。
戦略なんか関係ない。
気持ちが大事だ。
というのも正しいと思います。
しかしどのような気持ちをどのように持って、どのように実行したり発信したりするかも実は戦略です。
そのように考えると戦略を研究するのは実に面白い!
戦略の研究はボクにとってはもう趣味なのです!
ボク自身の成果は上がってるかの話はまた別として......ははは

利益を得る在り方は3種類しかない。
① 敵より安くつくれるか (コストリーダーシップ)
② 敵より付加価値が高いか (差異化)
③ 敵より土俵を絞り込むか (集中)
ナポレオンが(当初)連戦連勝したのは、勝てるところでしか戦わなかったから。
「孫子」七計
① 敵味方、どちらの君主が人心を把握しているか
② 将軍はどちらが優秀な人材であるか
③ 天の利、地の利はどちらの軍に有利か
④ 軍規はどちらがより厳格に守られてるか
⑤ 軍隊はどちらが強力か
⑥ 兵卒の訓練は、どちらがよりなされているか
⑦ 信賞必罰はどちらがより明確に守られてるか
孫武が重視したもの(ケイパビリティ重)
1)兵の数、武器の多さ(⑤)
2)リーダーシップ (①②)
3)スキル、モチベーション (④⑥⑦)
戦わずして敵国に降伏させるのが最善
ホンダの戦略は、失敗を積み重ねる中で生まれ出てきたもの
在庫は全ての「まずさ」を覆い隠す悪。
ホンダはエンジン技術がコア・コンピタンス(強み)
シャープは液晶技術がコア・コンピタンス(強み)
日本企業の難点
① ほとんどの企業は互いを模倣し合ってるだけ
② 顧客満足を重視するあまり、全ての顧客に求める商品・サービスを提供しようとして自社のポジショニングを失ってしまう。
戦略とは、高付加価値追求か低コスト追求かのトレードオフに他ならない。
太平洋戦争での日本軍の失敗要因は、突き詰めれば2つ
① 全てにおける曖昧さ
② 柔軟さの欠如
ジョブズの人物評はアップルの業績とともに変化
「革命児」→「未熟児」「偏執狂」→「カリスマ」「天才」
人は現在の結果に目が眩む。
業績の良い企業は、全て素晴らしいものと思い込む。
① 過去(成功)から学ばない
② 結果(成功)だけで見ない
③ 自分で自分を評価しない
結局やってみなくちゃわからない(思考錯誤型経営)
どう上手く素早く「やってみるか」
そこから素早く「学んで修正して方向転換するか」
顧客に価値を提供できないものは全てムダ
そこで検証できないもの、学びに繋がらないものは全てムダ
失敗は、そこから学ばなかった時のみ失敗となる