読書日記その61 「わが母の記」

「わが母の記」 井上靖 著
映画を観ましたが、題材はとてもいいのにどうもボク的
にはイマイチで....
しかし題材がいいとしたらきっと原作はいいだろうと思い
読みました。
思った通り原作には、著者の母が少しづつ老いてゆく様子、
著者の心情、周り家族の心情、そして老いてゆく母の心情
(これはただ著者や周り家族の勝手な推測ですが)がとて
もよく描写されていてとてもおもしろかったです。
これはいずれボク自身にも訪れることで、それが著者であり
主人公の立場だったり、老いてゆく母の立場だったり、とて
も複雑な面持ちでした。
老いてゆく姿がとても細かく描写されてるので、老いとは
どのようなものか、そして周りの家族というのはどのよう
な心境になるのか、とても考えさせられる小説でした。
ボクもまだ40ではありますが、刻一刻と老いに向かってます。
やり残すことがないように大切に生きたいと思いました。